低う蝕レベルの学童におけるう蝕有病と関連の高い要因について

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本調査は,う蝕レベルの低い学童において,う蝕有病と関連の高い要因を明らかにすることを目的としている。対象学童は12歳,89名である。学童は保育園の5歳よりフッ化物洗口を実施している。さらに,小学校では,年2回の学校歯科健診の結果検出されたスティッキーフィッシャーに対しフィッシャーシーラントを実施している。対象学童の乳歯および永久歯のう蝕有病状況を調査した。さらに,唾液中のmutans streptococciレベル,lactobacilliレベルおよび歯垢中の酸産生能をそれぞれDentocult SM Strip^[○!R],Dentocult LB Dip Slide^[○!R]およびCariostat^[○!R]で評価した。そのほか,性別,フッ化物配合歯磨剤の使用の有無,1日あたりの歯磨き回数,フィッシャーシーラント処置歯数,1分間あたりの刺激唾液流量,1日あたりの甘味食品の摂取回数,1日あたりの甘味飲料の摂取回数,dfsの8項目について情報を得た後,う蝕有病との関連をみるため変数減増法による段階式ロジスティック回帰分析を行った。また最終モデルにより,算出されたロジスティック回帰係数と独立変数の値からう蝕の有無を識別した。その結果,フィッシャーシーラント処置歯数,カリオスタットレベル,甘味食品の摂取回数が最終モデルに採用された。特にカリオスタットレベルは最も高いオッズ比を示した(オッズ比:6.87,p=0.02)。Youden's indexが最大になるカットポイントでは敏感度が76.9%,特異度が75.7%であった。以上より,カリオスタットレベルは,低う蝕レベルの学童におけるう蝕有病と最も関連度の強い要因と考えられた。
2000-01-30

低う蝕レベルの学童におけるう蝕有病と関連の高い要因について

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