施設入所精神発達遅滞者の歯牙喪失状況

概要

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1971年から1988年の間に某施設に入所,在籍した1060名の精神発達遅滞者の口腔衛生状態ならびに歯牙喪失要因を解析した。本研究対象者は一般集団における最重度から中等度発達遅滞者総数の7から14%を占めるものと推定された。一般集団にあたる新潟県の1971年から1988年の間の人口は約250万入であり,その最重度から中等度発達遅滞者数は約1万人であった。1970年代では6〜14歳の年齢群において1.2,35〜44歳において6.6,1980年代では6〜14歳において0.7,45〜54歳において9.1というように喪失歯数平均は増齢的に増加した。これらの数値は一般集団におけるそれらに比較して約2〜4倍であり,6〜14歳では15倍以上,また,1980年代に入って45〜54歳ではその差がわずかに縮小していた。精神発達遅滞者の全年齢を通じ,統計学的にう蝕経験(DMFT)と年齢が多数歯喪失に関わる有意の危険因子であることがわかった。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
1996-07-30