ミズアオイとコナギの開花の日長反応特性
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概要
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ミズアオイとコナギの開花における日長反応特性を調査し, 次のことが明らかになった。1) 大阪府高槻市産のコナギと福井県三方郡産のミズアオイは8時間日長ではそれぞれ播種後41日と48日前後で開花したが, 播種日4月10日の自然日長では, 播種後109日と134日前後となり, 15時間以上の日長では開花が全く認められなかった。その開花における日長反応性については, 両草種は限界日長が15時間以内であることが推定され, 15時間以上の長日条件下では開花することができず, 質的短日性であることを認めた。2) 播種後開花までの日数は3〜8月播種では上記両草種の日長反応性に対応した差異が認められたが, 9〜10月の播種では両草種とも生育が温度により制約され, 日長反応性による差は認められず, 着蕾・開花しなかった。近畿地域において供試両草種の開花が可能な出芽期の限界は8月下旬であると推定された。3) 各地産のコナギとミズアオイは出芽期が同一でも開花日にかなりの差異が認められた。全体的にみると, 産地が南下するに従って, 開花の時期は遅くなる傾向を示した。また, 同じ産地(または緯度)においては, コナギはミズアオイより早く開花することがわかった。
- 日本雑草学会の論文
- 1996-10-25
著者
-
伊藤 一幸
独立行政法人国際農林水産業研究センター
-
伊藤 一幸
農林水産省農業研究センター
-
草薙 得一
京都大学農学部
-
汪 光煕
京都大学農学部雑草学研究室
-
伊藤 一幸
農林水産省東北農業試験場:(現)農業環境技術研究所
-
汪 光煕
京都大学農学研究料
-
伊藤 一幸
農林水産省農業環境技術研究所
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