雑草制御を目的としたシロクローバ植被の維持管理に及ぼす刈取体系の影響
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概要
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値被を利用した害車制御は樹園地など粗放的な植生管理が求められる場面で有用であり, シロクローバ(Trifolium repens L.)はその有望な材料と考えられる。本研究はクローバ定着後の刈取体系がクローバの生育と植生動態に及ぼす影響を調査し, 望ましい刈取体系について検討した。実験は大阪府高槻市で行い, シロクローバ2品種(コモン型: グラスランドフィア, ラジノ型: カリフォルニアラジノ)を1991年秋期に播種した。その後2年間, 春期(4月中旬または5月初旬), 6月, 8月, 10月の4時期の組合わせによる16種の刈取体系(Table 1)を実施し, クローバと雑草の植生調査を継続した。1年目(1992年)の刈取はクローバ生育に与える影響が少なく, 次の刈取までにクローバは再生した。しかし2年目 0993年)の刈取によってクローバ被度ならびにその植生は大きく変化した。6月, 10月の刈取は影響が大きく, 春期, 8月の刈取は影響が少なかった(Table 2)。特に1993年6月の刈取後に大型のイネ科夏雑草(アキノエノコログサ, メヒシバなど)が繁茂し, クローバ被度は著しく減少した(Fig.1, Fig.3)。6月無刈取区では刈取区に比べて夏期のクローバ被度の低下は小さく, 冬期の被度は刈取区より高かった(Fig.1, Fig. 3)。夏期に雑草を除去した場合もクローバ被度の低下は小さかった(Fig. 2)。しかし, 刈取の有無にかかわらず, クローバの生育は前年より衰退した。クローバ品種間ではラジノ型がコモン型に比べて高い被度を維持し(Fig. 1), その雑草抑制効果も優れていた(Fig. 3)。刈取ならびにその後のクローバ被度の低下により生じた裸地には雑草が侵入した。6月の刈取後に夏雑草の発生が増加し, 8, 10月の刈取後に冬雑草の発生が増加した(Table 3)。冬雑草がクローバに与える影響は少なかったが, イネ科夏雑草の庇陰によってクローバは著しく衰退した。多年生のアレチギシギシ, ネズミムギは刈取にかかわらず増加した。以上の結果から, 本地方ではラジノ型がその雑草制圧力, 被覆の持続性において被覆資材として適すること, その優占植生を維持するための管理法としてはスプリングフラッシュ期以外の刈取を避けるべきであることが示唆された。
- 日本雑草学会の論文
- 1995-10-31
著者
-
浅井 元朗
中央農業総合研究センター
-
伊藤 操子
京都大学農学部
-
浅井 元朗
京都大学農学部雑草学研究室
-
草薙 得一
京都大学農学部雑草学研究室
-
草薙 得一
京都大・農
-
草薙 得一
京都大学農学部
-
草薙 得一
京都大学農学都農学研究科雑草学講座
-
伊藤 操子
京都大学大学院農学研究科雑草学研究室
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