主要畑夏雑草の生育および種子生産に及ぼす播種期の影響
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概要
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シロザ、メヒシバ、ヒメイヌビエ、ハルタデの4草種を供試して1983年から3年間毎年播種期を 4月から9月だいし10月まで変えて、地上部生育量、播種後出穂・着蕾までの日数および種子生産量を調査 し、次の結果が得られた。 1)播種後出穂・着蕾までの日数は4〜8月播種では各草種の日長反応性に対応した差異が認められたが、9〜10月の播種では各草種とも生育が温度により制約され、日長反応性による差は認められたかった。 2)出穂・着蕾が可能な播種期の限界はメヒシバ、ヒメイヌビエでは8月下旬、シロザ、ハルタデでは10月上旬であった。また種子の着生が可能である播種期の限界はシロザでは9月上旬、他の3草種では8月下旬であった。 3)草丈・主茎長あるいは地上部乾物重だとの生育量は各草種とも播種期が遅くなるにともない減少したが、減少程度は短日性のシロザで大きく、中目性のハルタデで小さいなど、草種により異なった。 4)種子生産量は地上部生育量に対応する傾向がみられ・各草種とも4〜6月播種の場合に最も多かった。 5)種子の千粒重はシロザを除いて播種期が遅くなるにともない減少し、個体当たりの生産種子粒数の減少を補償する傾向を示したが、シロザの8月播種の場合の千粒重は大きくなった。また、REは短日性のシロザや量的短日性のメヒシバおよびヒメイヌビエでは播種期が遅くなるにともない増加したのに対し、中日性のハルタデでは播種期が遅くなるにともない減少した。 6) 生殖器官への乾物分配率は短日性のシロザでは播種期が早い場合には生育後期に集中して高くなり、播種期が遅い場合には生育初期から分配が開始され徐徐に増加したのに対し、中日性のハルタデでは播種期にかかわらず各器官への分配率の推移のパターンは変化しなかった。
- 日本雑草学会の論文
- 1991-09-02
著者
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