野生エゾシカ(Cervus nippon yesoensis Heude, 1884)における精巣と血漿テストステロン濃度の季節的変動
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概要
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北海道洞爺湖中島のエゾシか個体群について, 精巣ならびに血漿テストステロン濃度の年間変動を調べた. 他の温帯性のシカ類と同様に, エゾシカにおいても, 精巣のサイズや精細管直径, 精細胞の構成や配列, 血漿テストステロン濃度に顕著な季節的変化が認められた. 精子形成は7〜8月頃に開始されると考えられ, 8月末の時点では完成した精子が少数みられた. 洞爺湖中島における交尾期開始時期の10月末になると, 精巣サイズや精細管直径の平均値は最大となり, 精上皮には盛んな精子形成像が認められた. 精巣の退縮はl2月末には始まっており, 2〜3月になると精子形成は終了していた. 以後6月頃まで, 精巣は休止状態にあるものと思われた. 交尾期にあたる10月末と11月初めの血漿テストステロン濃度は, 2月や3月, 6月, 12月に比べると極めて高く, 個体差が大きかった. この個体差は, テストステロンのpulsatile secretionによるものと考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1992-06-15
著者
-
鈴木 正嗣
北海道大学大学院獣医学研究科
-
梶 光一
北海道環境科学研究センター
-
鈴木 正嗣
北大 歯
-
鈴木 正嗣
北海道大学・歯学部・第1解剖学講座
-
和 秀雄
阪大
-
NIGI HIDEO
Osaka University
-
和 秀雄
大阪大学人間科学部
-
和 秀雄
日本獣医畜産大学野生動物学教室
-
Kaji K
Hokkaido Inst. Environmental Sci. Sapporo Jpn
-
NIGI Hideo
The Japan Monkey Centre
-
和 秀雄
日本モンキーセンター
-
Nigi H
Osaka University
-
和 秀雄
日本獣医畜産大 獣医畜産
-
Nigi Hideo
Nippon Veterinary
-
Nigi Hideo
Graduate School Of Human Sciences Osaka University
-
Nigi Hideo
Nippon Veterinary And Animal Science University
-
Suzuki Masatsugu
Laboratory Of Wildlife Biology Graduate School Of Veterinary Medicine Hokkaido University
-
和 秀雄
大阪大学・人間科学部・行動生態学講座
-
Suzuki Masatsugu
Laboratory Of Wildlife Biology The Graduate School Of Veterinary Medicine Hokkaido University
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