シリアンハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎モデルにおける潰瘍形成と好中球エラスターゼ活性の上昇(実験動物学)

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シリアンハムスターを用いた実験的大腸炎モデルを作成した.1%酢酸の注腸により大腸炎を惹起し,1,3,8,24および48時間後に潰瘍面積,大腸組織ミ***ペルオキシダーゼ活性(MPO活性),大腸腔内の好中球エラスターゼ活性(NE活性)を測定した.また,大腸の病理組織学的検討も実施した.その結果,大腸炎惹起の3時間後に,潰瘍面積,MPO活性およびNE活性の有意な上昇が認められ,24時間後にピークに達した後,減少した.NE活性の推移と潰瘍面積の推移とは良く相関していた.病理組織学的検討では,潰瘍,〓爛,好中球浸潤,陰窩膿瘍,出血および浮腫が大腸炎惹起3〜48時間後に認められた.さらに,この大腸炎モデルの実験的病態モデルとしての適切性を確認するために,本モデルに対するプレドニゾロンの効果を検討した.大腸炎惹起18および1時間前,惹起6時間後にプレドニゾロンを経口投与し,大腸炎惹起24時間後に潰瘍面積,MPO活性およびNE活性を指標として効果を評価した.その結果,プレドニゾロン処置群と大腸炎コントロール群との間でMPO活性に差は認められなかったが,NE活性はプレドニゾロン処置により有意に抑制された.また,潰瘍面積については有意ではないものの,抑制傾向が認められた.以上から,シリアンハムスターを用いて作成された大腸炎モデルは,大腸炎の病態,特に大腸炎と好中球エラスターゼとの関連性について研究するための有用なモデルであると考えられる.
社団法人日本獣医学会の論文
2004-04-25

シリアンハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎モデルにおける潰瘍形成と好中球エラスターゼ活性の上昇(実験動物学)

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