マウスSmad3のクローニングとその発現部位の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Smadファミリーは, TGF-βファミリーの刺激によってリン酸化の修飾を受け, 核にそのシグナルを伝達する細胞内情報伝達因子である. 今回マウスにおいて, Smadファミリーの中では比較的報告の少ないSmad3のcDNAオープンリーディングフレームをRACE法を用いてクローニングした. 塩基配列より予想されるアミノ酸配列において, ヒトSmad3とは99.3%, またはマウスSmad2とは85.4%のホモロジーを示した. また, 各臓器におけるマウスSmad3の分布をノーザンプロット法を用いて解析した. Smad3の発現は各臓器において認められたが, 特に脳と卵巣において高い発現が見られた. 続いて, in situ hybridization法により脳と卵巣におけるSmad3 mRNAの局在を調べた. その結果, 脳では海馬歯状回の錐体細胞, 大脳皮質の顆粒層細胞, 卵巣では卵胞上皮細胞において高い発現が見られた. これらのSmad3 mRNAの局在パターンは, これまでに報告のある, TGF-βtypeIIレセプターならびにactivin typeIIレセプターの局在部位と類似しており, これらの部位においてSmad3はTGF-βやactivinのシグナル伝達に関与していることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-03-25
著者
-
林 良博
東京大学大学院農学生命科学研究科国際動物資源科学研究室
-
藤澤 正彦
東京大・院農学生命
-
九郎丸 正道
東京大・院農学生命
-
加納 聖
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
九郎丸 正道
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医解剖学教室
-
九郎丸 正道
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医解剖学
-
九郎丸 正道
東京大学 獣医解剖
-
野谷 あずさ
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医解剖学教室
-
Notani A
Univ. Tokyo Tokyo Jpn
-
加納 聖
岩手大学農学部基礎獣医学講座
-
南 相允
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医解剖学教室
-
藤澤 正彦
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医解剖学教室
-
林 良博
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
林 良博
東京大学 獣医解剖
-
Nam Song-yoon
東京大学 大学院
-
加納 聖
Iwate Univ. Morioka
-
Kurohmaru Masamichi
Department Of Veterinary Anatomy Faculty Of Agriculture University Of Tokyo
-
九郎丸 正道
東大
-
藤澤 正彦
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理
-
Hayashi Yoshihiro
Department Of Veterinary Anatomy Graduate School Of Agricultural And Life Sciences The University Of
関連論文
- スンクス精索の形態学的特徴,特に精巣外ライディッヒ細胞
- エストラジオール-3-ベンゾエートの成熟ラットへの投与はテストステロン産生に関わる精巣内ステロイド合成酵素遺伝子の発現を抑制する(臨床繁殖学)
- インターフェロンγおよびインターロイキン12の前処理によりマクロファージはリーシュマニア原虫感染初期に抵抗性を示す(寄生虫病学)
- タイの常緑乾燥林におけるセキショクヤケイの行動と生息密度
- 〈座談会〉民俗生物学は何を目指すか--生き物文化誌学会の発足にあたって (特集 検証中生代の東アジアで何がおこったか--化石が語るジュラ紀・白亜紀の世界像)
- ジャワマメジカ(Tragulus javanicus)の頭蓋および下顎骨の計測学的研究
- ニホンオオカミの頭骨の骨計測およびCTスキャンによる検討
- ジャワオオコウモリおよびコキクガシラコウモリの精上皮周期 (解剖学)
- 哺乳類の生殖腺の性分化 : SryからMis/テストステロン分泌まで
- スナメリの遺残骨盤骨と周囲構造に関する比較解剖学的研究(解剖学)
- インドサイ(Rhinoceros unicornis)の精巣に関する形態学的検討
- マウス胎仔生殖腺におけるαvβ3および αvβ5 integrin mRNA の発現パターンについて
- ニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)の下顎骨形態の地理的変異
- リュウキュウイノシシ(Sus scrofa riukiuanus)の下顎骨に関する多変量解析
- リュウキュウイノシシ (Sus scrofa riukiuanus) の下顎骨に関する島嶼間形態変異
- 赤色野鶏の亜種認識および分布に関する文献学的研究
- セキショクヤケイの亜種認識および分布に関する文献学的研究
- コモンツパイ(Tupaia belangeri)の消化管内分泌細胞の免疫組織化学的検索
- アオダイショウ(Elaphe climacophora)精上皮の組織学的研究 : 精祖細胞の同定
- バングラデシュにおける在来豚の飼養と形態の特徴 : 特に西側地域の集団について
- マウス抗血清を用いたニワトリ始原生殖細胞の分化に関する免疫組織化学的研究
- ハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎に対する好中球エラスターゼ阻害剤(ONO-6818)の作用(薬理学)
- シリアンハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎モデルにおける潰瘍形成と好中球エラスターゼ活性の上昇(実験動物学)
- 牛の脊柱からの背根神経節の除去に関する研究
- マウス胎子未分化生殖原基のフラグメント培養法とその応用
- ニワトリ胚子の精巣索形成におけるデスミンとフィブロネクチンの局在パターンの変化
- 第二極体を用いたマウス再構築胚の発生能
- 太平洋戦争中の東京都の猛獣処分に関連するアジアゾウの遺体について
- 短日日照によるハムスター精巣におけるSmad2・Smad3遺伝子の発現の影響
- マウスSmad3のクローニングとその発現部位の解析
- 精巣におけるSmad2/3の発現の機能
- マウスの実験的腹腔内精巣におけるアポトーシス様細胞死
- チンパンジーの遺体を用いた第一中手骨内転運動のCT断層像観察(解剖学)
- 滅亡の「プランA」ではなく, 存続の「プランB」を選択する
- 短日点灯条件下ゴールデンハムスター精巣において Smad2 と Smad3 は精母細胞の核内へ移行する
- DBA/2雌マウスの腎臓の形態における発情周期の影響
- 不活化狂犬病ウイルスの経鼻免疫による狂犬病発症防御免疫誘導
- 東京大学農学生命科学研究科に保存されているニホンオオカミ (Canis lupus hodophilax Temminck) 剥製標本から回収したアメロゲニン遺伝子(AMELX)エクソンDNAのクローニングとヌクレオチド配列の決定について
- マウス未分化生殖原基の器官培養による精巣、卵巣への分化誘導
- DBA/2Cr雌マウスの腎尿細管における細胞質顆粒の検出および刷子縁の染色性, 各種固定法と染色法の比較(短報)(解剖学)
- ヒミズ (Urotrichus talpoides) の精巣組織におけるレクチン反応性の検討
- ヒミズ精子発生周期
- ニホンオオカミとイヌに関する頭骨形態の三次元的鑑定
- ハブ精巣におけるレクチン結合性
- コモンツパイ(Tupaia glis)精上皮のステージ分類
- 特別座談会 今さらフィラリアされどフィラリアこれからのフィラリア予防の展望
- マウス由来抗原とFcとの融合タンパク質をウイルス粒子表面に持つオーエスキー病ウイルスは自己抗原に反応する有害な抗体を産生しない(ウイルス学)
- マウス免疫グロブリンG1のFc領域をもつキメラ蛋白の発現とその免疫学的性状(免疫学)
- フタコブラクダ(Camelus Bactrianus)の卵巣,卵管,子宮角,子宮体および子宮頸の組織像
- ガンジスカワイルカ(Platanista gangetica)の気管と気管支に関するMRIを用いた解剖学的検討
- パネルディスカッション
- イヌ属3種の頭蓋と毛皮におけるサイズの関係
- 前精子発生期におけるマウス雄性生殖細胞(Gonocyte)のレクチン結合パターンの変化
- バイカルアザラシ(Phoca sibirica)の咀嚼筋に関する機能形態学的検討
- クローン病原因遺伝子として同定された菌体成分認識受容体NOD2
- 馬の耳管憩室(喉嚢)における各種免疫グロブリンのアイソタイプおよびサブアイソタイプの分布(短報)
- タイ南部ハジャイ地域における2タイプのコモンツパイの同所的分布とその形態学的認識(短報)
- ウマ耳管憩室(喉嚢)粘膜の組織学的および形態計測学的解析
- Dirofilaria immitis, Brugia malayiおよびBrugia pahangiにおけるSL1リーダー転写領域を囲む塩基配列の性状 (短報)
- クロオオリスの頭蓋の大きさと形状に関する地理的変異の検討(解剖学)
- クロオオリスの頭蓋の大きさと形状に関する地理的変異の検討
- ハイガシラリス頭蓋の地理的および機能形態学的変位(解剖学)
- ホオアカカオナガリスの頭蓋の地理的変異とその機能形態的意義(解剖学)
- チンパンジーの泌乳期乳腺の形態学的検討(解剖学)
- ジャイアントパンダにおける前腕筋群の機能形態学的検討(解剖学)
- 座談会 人間は動物とどのように関わるのか--大量に殺されてゆく家畜、ペットに依存する社会を背景に
- パネルディスカッション
- クラ地峡の南北から得られたコモンツパイ頭骨の骨計測学的解析
- モノクローナル抗体TSd-1はコモンツパイ(Tupaia glis)の伸長型および成熟精子細胞に特異的である
- イヌインターロイキン12遺伝子の大腸菌及び昆虫細胞における発現
- 犬糸状虫感染の免疫学的予防
- 生物多様性と日本の農林水産業
- Bisphenol A-induced morphological alterations in Sertoli and spermatogenic cells of immature Shiba goats in vitro : An ultrastructural study
- シマハイエナ (Hyena hyena) の膵臓に関する肉眼解剖学的および組織学的検討
- ハムスター精巣におけるmitochondrial capsule selenoprotein mRNAの発現パターン
- ゴールデンハムスターにおけるmitochondrial capsule selenoprotein遺伝子のクローニング及び発想
- 性成熟期以降のマウス精巣におけるmitochondrial capsule selenoprotein mRNAの発現パターン
- 鶏の形態嗜好における日本とタイの多面的比較感性モデル : —チエンラーイ・沖縄における鶏形態に対する嗜好調査に基づく—
- 農業農村工学会に期待する
- 国立大学法人化と演習林の在り方について
- 無線LAN位置システムの放し飼いニワトリとホロホロチョウの軌跡追跡への適用可能性
- アジアゾウ (Elephas maximus) の鼻部・上唇部における骨格筋構築
- 皇居産アズマモグラ(Mogera imaizumii)における頭骨の形態とミトコンドリアDNAの塩基配列
- フタコブラクダ(Camelus bactrianus)における背側隆起の付着機構に関する解剖学的検討
- ラクダの局所解剖(3)胸部胼胝(たこ)の構造
- ラクダの局所解剖(2)ふたこぶラクダ(C. bactrianus)の前肢と後肢の足座の比較
- 犬のココロに神宿る--盲導犬・介助犬・セラピー犬に学ぶ
- 獣医病理学用語集(改訂第2版) 日本獣医病理学会用語集編集委員会編 学窓社、平成12年(2000年) 定価 本体7,000円+消費税
- 第2特集 大学・研究機関の法人化と研究者の任期付きポスト--日本林学会主催シンポジウム〔含 パネルディスカッション〕
- 提言 肉用牛生産における山口型放牧の役割
- 学会動向 わが国における「ヒトと動物の関係学」からみた『動物の比較法文化』(青木人志著)
- 犬の生き方--好奇心が旺盛で、ひたすら今を生きる愛犬ペンテルとメイレン (犬のいる人生 犬のいる暮らし--全篇書下ろし やすらぎと元気をもたらす73の愛犬物語) -- (特別随想/談話 犬のいる人生)
- ヒトと動物--すてきな関係考
- 婦人公論井戸端会議 教育から介護まで--ペットに捧げる汗と涙
- 婦人公論井戸端会議 犬のいない世界なんて
- 都市のなかでのヒトと生きものの関係学 (特集 民話と生きものの住まう環境づくり)
- 生物多様性は難しくない (特集 生物多様性)
- 人と動物の共存を目指して
- 闘鶏用を含む直立型ニワトリ品種における筋骨格系の機能形態学的特質
- チンパンジーの泌乳期乳腺の形態学的検討