タテツツガムシ幼虫の数種ネズミ類に対する寄生態度の差異について : 恙虫の研究第 94 報
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概要
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1.八丈島に於て4種の鼡, ハタネズミ, マウス, ラッテ, スナネズミをTr. scutellaris幼虫の集落上をはわせて実験的に附着させ, 6時間毎に宿主より落下する恙虫幼虫数の時間的な消長を未吸着・満腹幼虫別に調べた. 2.マウス, ラッテ, スナネズミでは恙虫幼虫を附着させてから, 初めは未吸着幼虫が落ち, 12時間後より満腹幼虫が落下し始め30時間で落下満腹幼虫数は最高になり, 78時間後までには落下し終り, 耳殻内に残留幼虫を認めなかつた. 3.ハタネズミでは未吸着幼虫は同様に早く落下するが満腹幼虫は他の宿主の場合と異り, 約1日おくれて落下数が最高になり, 78時間後でも耳殻内に吸着しているものが認められ, 平均して吸着時間の長いことが判明した.又他の宿主に比べ, 全附着数に対する満腹幼虫の率が大であつた. 4.以上の様に汎寄生性のTr. scutellarisに於ても宿主により寄生の態度が異ることが実験的に判明した.又ハタネズミに於て, 満腹する幼虫数が多く, 吸着時間が長いことが分つた.このことは自然界で恙虫の宿主鼡類を捕獲した場合ハタネズミに特に多数の寄生を認めていた事実の一端を解明した.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1957-12-10
著者
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