機能的MRIを用いた物体認識における背側視覚経路の役割の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
機能的MRIを用いて非典型的な視点から物体認識を行う際に関与している脳内機構について検討した。受動的な観察課題を用いることにより、典型的な視点から物体を認識する時と比較して、非典型的視点から物体認識を行う際にいくつかの大脳領野が強く活動することが見られた。まず、紡錘状回と下側頭葉後部(BA19/37)が形状処理に関与していることが示された。そして、主に上頭頂小葉を中心とした頭頂葉後部(BA7)と運動前野が対象物の視空間的処理と感覚運動的知識の検索に関与していることが推測された。こうした結果は、非典型的視点からの認識において物体に対する行為を行うために必要な情報の利用を示唆するものである。
- 社団法人映像情報メディア学会の論文
- 1999-07-15
著者
-
乾 敏郎
京都大学大学院情報学研究科
-
杉尾 武志
同志社大学文化情報学部
-
杉尾 武志
京都大学大学院情報学研究科
-
中井 敏晴
独立行政法人産業技術総合研究所ライフエレクトロニクス研究センター
-
中井 敏晴
電子技術総合研究所
-
松尾 香弥子
電子技術総合研究所ビジュアルコンピューテイング・ラボ
-
松沢 正子
電子技術総合研究所超分子部
-
中井 敏晴
国立長寿医療センター研究所長寿医療工学研究部脳機能画像開発研究室
-
中井 敏晴
独立行政法人産業技術総合研究所ライフエレクトロニクス研究ラボ医用ビジョングループ
-
松尾 香弥子
国立長寿医療センター研究所長寿医療工学研究部脳機能画像開発研究室
関連論文
- 視点取得と情報抑制に基づく他者の心的状態推測の神経基盤(一般(高次機能),脳インタフェースの技術と応用,一般)
- 機能的MRIによる顔の記銘および再認に関わる大脳領域の検討. : HERAモデルは非言語課題でも適合するか?
- 身体図式を基礎とした動的イメージの生成の脳内メカニズム(1) (ニューロコンピューティング)
- 頭頂-運動前野における観察した行為の神経表象 : fMRI多ボクセルパターン分析による検討(脳活動の計測と解析,生命現象の非線形性,一般)
- 3次元心的回転の双方向型神経回路モデル(感情と言語/思考と言語一般)
- 物体の心的操作における多重の参照枠(視知覚とその応用,一般)
- 模倣とパントマイムの脳内メカニズム
- [招待論文]模倣とパントマイムの脳内メカニズム(PRMU&NCテーマセッション(2) : 模倣学習)(認識と学習,模倣学習)
- 視力に関する神経機構について
- 線図形を用いた単眼・立体視過程のfMRI研究