ブラインド・デコンボリューション・アルゴリズムの一高速化

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一般の情報通信システムにおいて、受信側では受信信号から伝送路の特性に起因する歪の補償と雑音の除去を行い、送信信号の再生を行う。雑音を無視しうる伝送路の場合、伝送路の逆システムは送信信号・受信信号を用いて推定することができる。しかし、本来情報通信システムでは、受信者にとって、送信信号は未知のものである。そこで、受信信号のみから逆システムを推定する必要がある。この問題を「ブラインド・デコンボリューション」と呼ぶ。「ブラインド・デコンボリューション」を、適応フィルタによって実現しようとする場合、受信信号のみを利用して得られる逆システムの推定のための評価規範を設計し、この評価規範に基づくアルゴリズムによって、適応フィルタの係数を決定することになる。ところが、従来提案されている評価規範に基づくアルゴリズムは、収束速度が遅いという問題を有している。そこで本論文では、従来の評価規範を検討し、評価規範そのものに不具合があることがわかった。そこで、不具合点を除去した新しい評価規範を設計した。その結果、新しい評価規範に基づくアルゴリズムによって収束速度の高速化がなされた。同時に推定精度も向上していることが確認された。
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-10-14

ブラインド・デコンボリューション・アルゴリズムの一高速化

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