自律顎運動ロボットの顎体と咬合力センサの試作

概要

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ヒトの顎の運動機構については,解剖学や生理学の分野を中心に研究が進められてきた.しかし,これまでの方法論は,その全体の制御機構を明らかにするには限界があった.これを克服するため,顎運動の生理学的知識を取り入れたロボット・シミュレータが試験的に製作されてきた.今までの顎ロボットは,当然のことながら構造的にヒトとは異なっており,特に顎関節領域で著しかった.これを改善するために,生体に比較的近い構造をもつロボットの本体を試作した.このロボットの顎節関は,スチールボールの下顎頭,テフロンの関節円板とコンダイラ・ハウジングから成る.下顎頭のボールはテフロン円板の凹部にはめ込まれており,その中で位置を変えることなく自由に回転できる.それにより,下顎頭, 円板複合体は,ハウジング内で滑らかに回転と並進運動できるようになった.さらに,次の開発段階に備えるために,ひずみゲージを用いていくつかの咬合センサを作成した.これらの感度と線形性は,歯の接触と咬合力を測定するのに十分であることを確認した.
1993-09-03