階層化ルールを用いる際のヒト行動制御のイメージング研究

概要

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動的に変化する環境に適応するためには、行動の適切な切り替えが必要である。しかし、実世界ではしばしば取りうる行動が無数に存在するため、それらすべてを評価し最適な行動を選択することは不可能である。ヒトはこのような状況においても、可能な行動を複数に分割した部分空間のみを探索することにより、効率的に行動選択を行っていると考えられる。本研究では、このような機構に関わる脳領域を明らかにするために、行動ルールに明示的な階層構造を与えたMulti Feature Sorting Taskを考案し、fMRIを用いた実験を行った。本課題における行動ルールの切り替えは、探索する部分空間間(上位階層)の切り替えと、同じ部分空間内に属するルール間(下位階層)の切り替えの2種類に分類される。解析の結果、上位階層の切り替えには左下前頭皮質が、下位階層には右前部前頭皮質と右背外側前頭前野が関わることが分かった。本研究ではまた、実験結果に基づき、階層的探索を実現する前頭前野の機能モデルを提案する。
2004-05-21