離散力学系における初期微動時間に関する一考察(<特集>非線形回路とシステム及び一般)

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概要

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ロジスティックな離散力学系において、定常解に付加する極微小誤差(1000兆分のl)の個数を適当に加減すれば、その軌道における定常状態継続時間を調節できる。この定常状態継続時間を初期微動時間と呼ぶことにする。一般に、カオス発現までの初期微動時間は、系のコントロール・パラメタ,付加する極微小誤差の個数,微動判定用閾値の関数となり、解析的近似解が得られた。本論文では実際のシミュレーション解(整数値)との差(実数値)が検討され、それがランダムな誤差ではなく特徴的な性質を持つことが示された。既に示されている多項式による回帰的近似解との誤差比較も行った。解析的近似解に調整値を付加し整数処理を施すことにより、ほぼ正確に初期微動時間を推定できることが示された。定常状態の途中において同状態を脱してカオスが発現するまでの初期微動時間を、精度良く予測できる手法も示された。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-08-28

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