高速モフォロジーフィルタリングアルゴリズム

概要

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本研究は,任意の2次元形状の構造要素を用いて高速にモフォロジーフィルタリングを行うアルゴリズムを提案する.従来の高速モフォロジーフィルタリング手法には,分解可能な構造要素でなければならないという制約があった.提案手法は,構造要素の移動によって新たに算出対象となる領域の結果を加味することと,算出対象から外れる領域の結果を除外することにより,この問題を解決する.提案手法の特徴は,算出対象から同時に外れる領域ごとに計算結果を保持することにより,モフォロジーフィルタを実現したことである.従来の高速化手法と比べ,分解不可能な構造要素を利用できる点で制約が小さく,多値画像にも適用可能である.また,処理速度は対象とする画像の濃度分解能に依存しない.その計算量は例えば円形構造要素の場合,構造要素の半径r,原画像の画素数sに対してO(4rs)となる.本論文では,提案アルゴリズムと従来アルゴリズムとの比較実験を行う.実験の結果,処理速度は従来の高速化手法と比べ約2倍高速であった.また,従来の高速化手法では適用困難な例として,リング状構造要素に対して実験を行い,高速化しない手法と比較した.その結果,高速化しない手法では構造要素の画素数とともに処理時間が増加したが,提案手法では増加せず,従来手法で処理時間が大きいケースにおいて提案手法はより効果的であったことが確認された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-08-01

高速モフォロジーフィルタリングアルゴリズム

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