紫外吸光光度法による排ガス中窒素酸化物の迅速定量法

概要

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排ガスなどに含まれる窒素酸化物の簡易的かつ迅速な定量法を開発した.窒素酸化物はオゾンを用いて酸化し,硝酸イオンとして弱酸性の水溶液に吸収させる.この吸収液の硝酸イオン濃度を(215〜230)nmの適当な一波長の紫外線吸収により測定し,窒素酸化物を定量する.この方法では(2×10^<-6>〜2×10^<-4>)Mの範囲で良好な直線的検量線が得られ,試料の量を調節することにより約lppmからの窒素酸化物が定量できる.1回の分析時間は約5分である.215nmの吸収波長ではモル吸光係数が約6400で,他の化学的分析法に比べるとその値は小さいが,前処理や発色液の調製が不用なため定量範囲は他の化学的方法とあまり差がない.排ガスに含まれる種々の共存ガスの影響を調べた結果,ほとんどのガスは500ppm以下であれば妨害とはならなかった.又,標準ガス,排ガス中の窒素酸化物をJIS規格の亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン法と本法とを比較して分析した結果,良好な一致が得られた.
社団法人日本分析化学会の論文
1980-12-05