都市大気粉じん中タイヤトレッド成分の炎光光度検出器付き熱分解ガスクロマトグラフィーによる定量
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概要
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硫黄選択性の炎光光度検出器付きの熱分解ガスクロマトグラフを用いて、都市大気粉じん中に存在する自動車のタイヤトレッド摩耗成分の迅速な定量法を検討した。タイヤトレッドに特有な含硫黄熱分解生成物はチオフェン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン及び加硫促進剤に由来するベンゾチアゾールであった。ベンゾチアゾールピークには粉じん中に共存するタイヤトレッド以外の物質からの妨害がなかった。そしてその生成率は含硫黄熱分解生成物の中で最も大きく、最大生成率を示す熱分解温度は670℃であり、しかもタイヤトレッドの種類の違いによるばらつきは23.2%でタイヤトレッドの特性ピークの中で最も小さかった。ベンゾチアゾールを特性ピークとした本法では1ugまでのタイヤトレッドが定量可能であり、試料の前処理を必要としないため分析時間も約30分以内であった。又、本法は都市大気中タイヤトレッド粉じん濃度の経時変化の測定に適していることが示された。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1989-05-05
著者
-
矢川 一夫
慶応大 理工
-
白井 恒雄
慶應義塾大学理工学部応用化学科
-
井上 秀成
慶応大 理工
-
金 萬九
慶應義塾大学理工学部応用化学科
-
矢川 一夫
慶應義塾大学理工学部応用化学科
-
井上 秀成
慶應義塾大学理工学部応用化学科
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