高速液体クロマトグラフィーによるアルミニウム(III)及びクロム(III)クペロン錯体の分離定量

概要

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溶媒抽出試薬であるクペロン(N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩)が,広いpH領域で多種の重金属イオンと安定な錯体を形成することに着目しアルミニウム(III)及びクロム(III)をHPLCで定量した.固定相にポリスチレン系疎水性硬質ゲルを充てんしたカラム(内径6.0mm×150mm)を,溶離液にアセトニトリル-水(98/2,v/v)を使用することにより,pH 2.5の反応溶液で調製したアルミニウム(III)及びクロム(III)クペロン錯体が,迅速かつ簡便な操作で分離定量できた.検量線は50〜1000ng cm^<-3>の濃度範囲で直線性を示し,アルミニウム(Ill),クロム(III)の検出限界は0.27ng cm^<-3>,0.47ng cm^<-3>で,濃度50ng cm^<-3>付近で求めた相対標準偏差はそれぞれ5.6%,2.1%であった.又,本法を実試料に応用したところ,吸光光度法による定量値と一致した結果が得られた.
社団法人日本分析化学会の論文
1989-07-05