二酸化マンガン共沈-黒鉛炉ゼーマン原子吸光法による植物試料中のアンチモンの定量
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概要
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二酸化マンガン共沈-ゼーマン原子吸光法により植物試料中のアンチモンの定量法を検討した.植物試料中に含まれるハロゲン化物イオンの影響で植物分解時に含まれているアンチモンが蒸発し損失するので,Gorsuch型閉鎖分解フラスコを用い回収した.分解時のシリカゲルは原子吸光測定時に誤差を与えるので炉過した後pH1.8〜2.2とし,共沈剤のマンガンを15mg以上とするとアンチモンの回収率は95%以上であった.ハロゲン化物イオンや他金属の影響は二酸化マンガン共沈法により除くことができた.共沈物の溶解に用いた硫酸一過酸化水素の干渉は適当な乾燥条件で,又共洗剤のマンガンの干渉は適当な灰化条件で,それぞれ除くことができた.この方法を植物試料として,米国標準局標準試料SRM1571オーチャードリーブスと茶菓のアンチモンの定量に応用した.その結果オーチャードリーブス中には(3.0±0.2)μg/gであり保証値(2.9±0.3)μg/gと良く一致した.又,茶葉中にはほとんど含まれておらず<0.1μg/gであった.そして茶葉を用いての回収率は(96±5)%であり,十分満足できる結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-07-05
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