高温炉原子吸光法における陰イオン及び酸の影響
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概要
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高温炉AASにおける干渉が原子化時に共存元素と化学結合していることによる化学干渉か,それ以外の要因によるものかを原子の生成モデル式を用いて検討した.銅と鉄の幾つかの塩及び酸についての干渉を調べるため灰化温度を変えることにより炉上に存在する化学種を変え,吸光度と活性化エネルギーを測定した.その結果,銅と鉄の塩では,それぞれの金属だけしか存在しないときとシグナルの吸光度に変化がなく,陰イオンによる干渉は生じていないことが分かった.又,銅については検討した4種の酸で干渉が生じたが,いずれも酸の存在しない場合とシグナルの形は相似形であり,活性化エネルギーにも差が認められないことから測定元素が原子化するときには他元素と化学結合を生じていないことが分かった.鉄については数種の酸で干渉を生じたが,銅と同様に,原子化時には他元素と化学結合を生じていないことが明らかとなった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-10-05
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