アルキルスルホナートイオンを対陰イオンとする陽イオン染料の抽出挙動

概要

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炭素数(2〜13)個のアルキルスルホナートを対イオンとする陽イオン染料の抽出挙動について検討した. 8種の陽イオン染料を用い,イオン会合体を9種の抽出溶媒と3種の混合抽出溶媒に抽出し,その抽出定数を求めた. 得られた抽出定数から,(1)アルキル鎖のメチレン基は一つ当たり平均O.62の抽出定数の増加となる,(2)陽イオン染料の抽出性は次の順に低下する,エチルバイオレット>プリリアントグリ-ン>ポフマソズバイオレット>クリスタルバイオレット>マラカイトグリーン>ニューフクシン>メチレンブルー>バラローザニリン,叉各陽イオン間の抽出定数の差(△log Kex)はそれぞれ1.2,O.6,O.6,O.9,2.7,O.5,1.5となり,置換基の寄与からの予測と一致する,(3)抽出溶媒の抽出能は次の順に低下する,イソブチルメチルケトン>ジクロロエタン>ジクロロメタン>クロロホルム>0-ジクロロベンゼン>クロロベンゼン>ベンゼン>トルエン>四塩化炭素,又各溶媒間の抽出定数の差はそれぞれ,1-3,0.6,O.7,1.1,2.5,2.3,O.8,1.Oであり,E_T値と良い相関を示している,ことが分かった.
社団法人日本分析化学会の論文
1983-02-05