フローテーション : 対イオン交換抽出法による極微量リン酸及びヒ酸の吸光光度定量
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概要
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フローテーション/対イオン交換抽出法を用いる極微量リン酸, 及びヒ酸の吸光光度定量法を確立した.オルトリン酸とモリブデン酸との反応により生成したモリブドリン酸にマラカイトグリーン(MG^+)をイオン会合させ, この会合体を水相と有機相(シクロヘキサン+イソブチルメチルケトン=8+1v/v)の界面にフローテーションさせる.この後, MG^+と近い極大吸収波長をもつ染料陰イオン(A^-と略記)とモリブドリン酸を交換し, (MG^+・A^-)イオン会合体を有機相(フローテーション溶媒+1,2-ジクロロエタン)に抽出する.ヒ酸も類似のイオン会合体を形成するため, 同様にして定量することができる.A^-としては新規合成酸性染料の4'-ヒドロキシ-3,5,3', 5', 2", 6"-ヘキサクロロフクソン(以後, Cl_6BZと略記)を用いた.リンを基準とした見掛けのモル吸光係数は620nmで5.7×10^5 dm^3 mol^<-1> cm^<-1>であった.この方法によるRSDは1×10^<-6>Mのリン酸で0.29%(n=10)であった.本法は試薬から試験値が0.005と低く, 6倍の濃縮も可能であり, これによりsub-ppb(10^<-10>g ml^<-1>)レベルのリンの定量が可能となった.又ヨウ化物イオン, 過塩素酸イオン, ラウリル硫酸イオンなどのイオン会合抽出されやすい疎水性イオンの影響は, 溶媒抽出法に比べはるかに小さいことが分かった.本法を海水, 鉄鋼試料中のリン, ヒ素の定量に応用した.
- 1993-03-05
著者
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