流動電位検出/イオン会合滴定法による陽イオン界面活性剤の迅速定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
流動電位検出器を用いたイオン会合滴定法による陽イオン界面活性剤の迅速定量法を開発した.本法は, 陽イオン界面活性剤を陰イオン界面活性剤で滴定するもので, 流動電位が正から負に変化することを利用して終点検出を行うものである.検出原理及び装置は非常に簡単なもので, 従来のクロロホルム溶媒を用いない水溶液系で行うことができる.10(-5)~10(-3)Mの濃度範囲の陽イオン界面活性剤を迅速自動定量 (10分/件) できる.直接滴定法と逆滴定法について検討した結果, 直接滴定法のほうが逆滴定法に比べて再現性の面で優れていることが分かった.陽イオン界面活性剤の各種標準及び実際試料の応用について検討した結果, 分析値はJIS法 (Epton法) と非常に良い一致を示し, 再現性も良好であった.更に, 酸性及びアルカリ性条件下での測定により, アミン塩及び四級アンモニウム塩の分別定量も可能となった.An ion-association titration method coupled with a streaming potential detector was developed for the determination of cationic surfactants in a one-phase aqueous system. Dodecyl sulfate ion (LS-) was used as a titrant for cationic surfactants in a direct titration method. LS- was added to a cationic surfactant solution, and a potential change from positive to negative was observed. The end point was read from an inflection point of a differential curve. Direct and indirect titration methods for the determination of cationic surfactants were examined. The direct titration method was better than the in- direct titration method with respect to the precision. The usual samples were titrated within 10 min. Cationic surfactants at concentrations from 10-510-3 mol dm-3 could be determined by the proposed method. Amine and quaternary ammonium salts could be determined under both acidic and alkaline conditions. The proposed method was applied to the determination of various cationic surfactants and cationic surfactants in commercial detergents. The results obtained by the proposed method were in good agreement with those of the JIS titration method (Epton method).
- 1997-10-05
著者
-
本水 昌二
岡山大学理学部
-
脇阪 達司
花王(株)素材研究所
-
脇阪 達司
花王(株)素材・プロセス研究所
-
大藤 和幸
花王(株)素材・プロセス研究所
-
石原 進介
京都電子工業(株)九州研究所
-
石原 進介
京都電子工業
関連論文
- シアニン系新規合成試薬を用いる陰イオン界面活性剤の定量(若手研究者の初論文特集)
- 水溶性シッフ塩基へのマージングゾーン誘導体化/逆相分配高速液体クロマトグラフィーによる_アルキルアミン類の分離定量
- 微量フロー滴定分析法の開発と酸塩基滴定への応用
- 2-(5-ニトロ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノールを用いるキャピラリー電気泳動法によるニッケル,鉄塩中の極微量不純物の定量
- 1,8-ジアミノナフタレン-3,6-ジスルホン酸骨格を持つ新規水溶性蛍光試薬の合成と銅イオンの高感度定量への応用
- 表面固有抵抗測定と二次イオン質量分析法によるポリプロピレン中の帯電防止剤の状態解析
- キトサンキレート樹脂前処理法を用いる空気分節試料導入 : 誘導結合プラズマ質量分析法による天然水中の多元素同時定量
- ガス拡散/フローインジェクション分析法による水中の総炭酸の定量
- ビンドシェドラーズグリーンロイコ塩基を用いるフローインジェクション分析法による過酸化水素の吸光光度定量
- ニトロソ化反応を利用する硝酸イオンのフローインジェクション/吸光光度法(環境汚染物質の分析化学)
- 間接吸光検出イオンクロマトグラフィーによる河川水中の塩化物イオン,硫酸イオン及び硝酸イオン定量のためのベンゼンカルボン酸誘導体の分離能の比較
- フローインジェクション分析法によるホウ素の吸光光度定量
- 2-ニトロソ-5-ジメチルアミノフェノールとゼフィラミンを用いる銅の溶媒抽出-吸光光度定量
- フローインジェクション-蛍光法による河川水中のアンモニアの定量
- 2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸と第4級アンモニウム塩を用いる銅の抽出-吸光光度定量法
- 6-クロル-1,2-ナフトキノンジオキシムを用いるニッケルの溶媒抽出-吸光光度定量
- フローテーション : 対イオン交換抽出法による極微量リン酸及びヒ酸の吸光光度定量
- 第四級アンモニウム塩の液-液分配挙動
- クロモトロープ酸を用いる高感度蛍光検出/フローインジェクション分析法による超純水中の極微量ホウ素の定量
- キャピラリー電気泳動法による第四級アンモニウムイオンと一価有機酸イオンとのイオン会合反応の解析(「特集」キャピラリー電気泳動法の新展開)
- 酸性染料ブロモクレゾールパーブルと第四級アンモニウムイオンの変色反応を利用する陰イオン界面活性剤の吸光光度法
- モリブドケイ酸の吸光度測定に基づく微量ケイ素のフローインジェクション分析法
- ガス拡散/フローインジェクション分析法による水中のアンモニア態窒素の定量
- ポータブルフローインジェクション分析計の開発と窒素酸化物のオンサイト分析
- 精密分析用ガス透過システムの設計とガス透過/フローインジェクション法によるアンモニア態窒素の吸光光度定量
- ガス拡散/フローインジェクション分析法による排ガス吸収液中の微量アンモニアの高感度定量
- 単色化X線源を用いるエネルギー分散型蛍光X線による微量リン,硫黄,塩素,臭素及びヨウ素の迅速定量
- 単色化X線源を用いたエネルギー分散型蛍光X線による重金属限度試験法の迅速分析
- 単色化X線源を用いたエネルギー分散型蛍光X線によるヒ素限度試験法の迅速分析
- 有機物マトリックス中の微量元素の直接定量を目的とした単色化X線源を用いるエネルギー分散型蛍光X線装置の開発
- 非イオン界面活性剤ミセル存在下におけるトリフェニルメタン系陽イオン染料からトリフェニルメタノール生成の速度論的研究
- 流動電位検出/イオン会合滴定法による陽イオン界面活性剤の迅速定量
- 流動電位検出/イオン会合滴定法による陰イオン界面活性剤の迅速定量
- 光度滴定法による水溶液でのイオン性界面活性剤の自動定量
- 水溶液内イオン会合反応に基づくイオン性界面活性剤の定量
- 微分光度滴定法による水溶液での陰イオン界面活性剤の定量
- 二流路系を用いた洗剤の溶媒抽出/フローインジェクション分析
- 海水中の陰イオン界面活性剤の抽出/吸光光度定量
- ビンドシェドラーグリーン誘導体を用いる陰イオン界面活性剤の吸光光度定量
- 新規ガス透過装置の試作とそれを用いるフローインジェクション分析法による天然水中の総炭酸及びアンモニア態窒素の吸光光度定量
- ブロモクレゾールパープルと第四級アンモニウムイオンの変色反応を利用するエタノールの吸光光度定量
- 高性能キャピラリー電気泳動法とその海水分析への応用
- 微小膜濃縮/黒鉛炉原子吸光法による鉛の高感度定量
- 吸光光度検出イオンクロマトグラフィーによる河川水中の総炭酸の定量
- イオン会合体のミセル抽出サプレッサー法を利用した電気伝導度検出-イオンクロマトグラフィー
- カラム分離/溶媒抽出フローインジェクション分析法によるナトリウムとカリウムの吸光光度法
- 選択的化学修飾/X線光電子分光法による高分子表面官能基解析
- 白金チューブを反応管として用いる過マンガン酸カリウム酸化/フローインジェクション分析法による化学的酸素要求量の迅速定量
- 4,6-ジ-t-ブチル-3-メトキシカテコールとマラカイトグリーンを用いるモリブデン(VI)の抽出/吸光光度定量
- アルキルスルホナートイオンを対陰イオンとする陽イオン染料の抽出挙動
- フローインジェクション分析法によるボイラ給水中の微量ヒドラジンの吸光光度定量
- ジチオカルバミン酸型キトサン樹脂の合成と金属の捕集挙動
- カテコール誘導体とカチオン染料を用いたヒ素(V)の溶媒抽出吸光光度定量
- マイクロフローインジェクション分析法による硝酸,亜硝酸イオンの同時定量
- 鉄鋼及び鉄塩中のホウ素の高速液体クロマトグラフィーによる定量
- 金属ハロゲノ錯陰イオンと第四級アンモニウムイオンとのイオン会合体の抽出挙動解明と分離・分析的応用
- 有機陰イオンを対イオンとする第四級アンモニウム塩の抽出性に及ぼす置換基の寄与
- クロモトロープ酸を用いるホウ素の連続流れ-蛍光光度定量
- 2,6-ジヒドロキシ安息香酸とマラカイトグリーンを用いるホウ素の抽出吸光光度定量法
- エチルバイオレットを用いるヘテロポリ酸の抽出とリン,ヒ素(V)及びヒ素(III)の吸光光度定量
- 2-ニトロソ-5-ジエチルアミノフェノールを用いるパラジウム(II)の吸光光度定量
- イミノニメチルホスホン酸型キトサン樹脂の合成と微量金属の捕集挙動(若手研究者の初論文特集)
- 我が国発の研究成果を世界に積極的にアピールしよう
- 陽イオン交換カラム分離/溶媒抽出法を用いるナトリウム及びカリウムイオンのフローインジェクション吸光光度法
- 有機オニウムイオンーテトラブロモフェノールフタレインエチルエステル陰イオンのイオン会合体のミセル抽出
- イオン会合体のミセル抽出に基づくアルキルアンモニウムイオンの吸光光度法
- 水-アルコール混合溶媒中におけるテトラブロモフェノールフタレインエチルエステルの発色に基づくエタノールの吸光光度定量
- ヨウ化物イオンとクリスタルバイオレットを用いる銅の吸光光度定量
- エチルバイオレットと銅(I)クロロ錯イオンのイオン会合抽出による鉄鋼及びアルミニウム合金中の鋼の吸光光度定量
- アゾ染料陽イオン・陰イオンおよびそれらのイオン会合体の水相/有機溶媒相界面への吸着平衡
- 単色化×線源を用いるエネルギー分散型蛍光×線装置の開発
- イオン会合と分析化学
- コバルトの新しい比色試薬 : 2-ニトロソ-5-ジメチルアミノフェノール
- 2-ニトロソ-5-ジメチルアミノフェノールを用いる鉄鋼中のコバルトの溶媒抽出-吸光光度定量
- クロロホルム-アルコール混合溶媒中におけるテトラブロモフェノールフタレインエチルエステルの発色挙動
- 2-ニトロソ-5-ジメチルアミノフェノールを用いるコバルトの簡易定量法
- ニトロソ化合物によるコバルトの溶媒抽出
- 硫酸イオンの試料イオン対するスタッキング効果を利用する無機陰イオンのキャピラリー電気泳動 : 直接吸光分析
- 第8回日露分析化学シンポジウム - 自由化5年後のロシアを訪ねる -
- 溶媒抽出を利用する河川水中のカリウムの容量分析法
- キレート抽出とその分析化学への応用