有機物マトリックス中の微量元素の直接定量を目的とした単色化X線源を用いるエネルギー分散型蛍光X線装置の開発
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概要
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有機物マトリックス中の微量元素の直接定量を目的として, 単色化X線源を用いたエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)を開発した.EDXRFにおいて分光結晶で単色化したX線源(17.4keV)を用いることにより, Ti〜Seの感度を向上させることができたが, Ag, Cd及びSn等は定量できなかった.複数の単色化したX線源(9.7,17.4及び40keV)を組み合わせることにより, 有機物マトリックス中の原子番号22(Ti)以上の元素を直接高感度定量することが可能となった.検出下限はTi〜Biの22元素において, 0.02〜0.34μg g^<-1>(平均0.13μg g^<-1>)と通常EDXRFに比較して大幅な向上を達成でき, 再現性も相対標準偏差0.7〜1.0%と良好であった.NIST Fuel Oil(SRM 1634b)の分析に応用した結果, 分析結果は保証値と良い一致を示し, 本法が, 有機物中の微量元素の直接定量法として有効であることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1996-10-05
著者
-
森田 尚喜
花王(株)素材・プロセス研究所
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若狭 正信
花王(株)素材研究所
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脇阪 達司
花王(株)素材研究所
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寺田 慎一
(株)テクノス
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西萩 一夫
(株)テクノス
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谷口 一雄
大阪電気通信大学
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脇阪 達司
花王(株)素材・プロセス研究所
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若狭 正信
花王(株)構造解析センター
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寺田 慎一
テクノス研
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