選択的化学修飾/X線光電子分光法による高分子表面官能基解析
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概要
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表面官能基を分析する方法として, 各種官能基と選択的に反応する試薬で材料表面を修飾し, 試薬に含まれるへテロ原子をXPSで検出する方法が報告されている. 本研究では, この方法に用いる新しい修飾反応として, アミノ基について気相での反応を確立した. NH_2基についてはこれまでにペンタフルオロベンズアルデヒド(PFBA)が報告されているが, 著者らはトリフルオロ酢酸無水物(TFAA)による修飾反応がより有効であることを見いだした. TFAAは一級, 二級アミン及びOH基と反応することが知られているが, 本検討からアンモニアを気相で作用させることで, TFAAによって修飾されたOH基は元に戻るのに対し, NH_2基は修飾されたままであることが分かった. 従って, この方法によればOH基とNH_2基が存在する表面でもNH_2基のみをTFAAで選択的に修飾することが可能である. この反応は反応性・選択性共にPFBAによる修飾反応よりも優れており, 更に一級だけでなく二級アミンも修飾可能である.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-05-05
著者
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岡本 昌幸
花王(株)構造解析センター
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若狭 正信
花王(株)素材研究所
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脇阪 達司
花王(株)素材研究所
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脇阪 達司
花王(株)素材・プロセス研究所
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若狭 正信
花王(株)構造解析センター
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八川 亮子
花王(株)構造解析センター
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