ドキュメントと概念の対応管理に基づくドキュメント保守支援

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ソフトウェアの改訂頻度の増大に伴い、マニュアル等のドキュメント保守にかかる負担が増大している。一般に保守作業の負担の理由として保守対象の変更に伴う影響波及解析の困難さがあげられる。ドキュメントには作成者が表わしたい概念体系が反映されている。ドキュメントの変更とはドキュメントに反映された概念体系の一部を変更することであり、その影響は変更された部分と関係を持つ全ての部分に波及する。保守者がこのような作業を行うためには、作成者がドキュメントに表わそうとした概念体系を理解する必要があると考えられる。しかし、現状ではドキュメント作成時に考慮された概念に関する情報がほとんど残されていないため、保守者がドキュメントを読んでこれらの概念体系を推測する必要がある。我々は、ドキュメント作成時にドキュメントとドキュメントが表わす概念に関する情報(以下、概念情報と呼ぶ)およびこれらの情報の対応関係を記録・利用することで、影響波及解析を容易化する方法の検討を行っている。概念情報を影響波及解析で用いることで、これまで保守者に要求されてきた概念体系の理解、変更部分と概念体系との対応の把握、概念体系の上で変更に対応する部分の推測といった作業の支援が可能となり、保守作業の負担軽減の効果が期待できると考えられる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

ドキュメントと概念の対応管理に基づくドキュメント保守支援

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