設計プロセス情報を利用したソフトウェア修正支援方式
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概要
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アプリケーションソフトウェアの影響波及解析を容易化するための手法を提案する.ソフトウェアの開発では,CASEツールとともに,構造化分析・設計手法が普及してきた.構造化分析・設計手法で定めている,設計途中および最終段階において作成するドキュメントには設計結果のみが記述され,設計に影響を与えた要因,すなわち設計の根拠,は記述されない.これは,ソフトウェアの修正箇所を限定する影響波及解析を保守者にとって困難にする要因の一つになると考えられる.この問題点を解決するには,影響波及解析に有用な,設計の根拠の情報を小さいコストで記録,利用する方法を確立する必要がある.筆者らは,この方法を実現したのでここに提案する.提案する手法では,設計者が設計プロセスの記録を作成しながらソフトウェアを設計する.この記録は,設計の根拠である,設計に影響を与えた要因の情報を含む.保守者は,本手法が実現する設計プロセスの記録の検索機能により,影響波及解析に有用な情報を参照することができる.また,設計プロセスの記録は,設計の思考の流れに沿って作成するため,記録のコストが小さいことが期待できる.以上の手法を実現したプロトタイプシステムを用い,提案した影響波及解析支援の効果,設計プロセスの記録のコストならびに設計者の負担について評価した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-05-15
著者
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浜田 雅樹
ATR通信システム研究所
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浜田 雅樹
Atr通信システム研究所通信ソフトウェア研究室 Nttソフトウェア研究所ソフトウ
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安達 久人
ATR通信システム研究所
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安達 久人
Atr通信システム研究所通信ソフトウェア研究室
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