博物館におけるマルチメディアの有効利用(2)
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概要
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博物館の役割としてものの収集や保存、調査・研究、展示、そして公教育がある。公教育は近代博物館を定義する上で本質的な意味をもつ。博物館を教育の場として見た時、いくつかの特徴がみられる。それは、博物館への来館者が自らの発意にもとづいて、博物館が展示をとうして提供する教育の場に参加するということである。この時、レディネスや教養、学習意欲のレベルは参加者によって大きく異なるのが普通である。また、参加者は博物館において体験的に学習するということも特徴的である。展示されたものを直接見て、触れて、感じて、何かを発見して、考えることがそこでは行われる。さらに一方で、博物館が収集・保存するものとは形ある実物としてのものに加えて、それに関する情報もある。これは写真のような画像であったり、ビデオの映像とか録音された音声であったりする。これらはコンピュータ技術で扱われる際にマルチメディア化される。国立民族学博物館(民博)では各種のデータか収集され、コンピュータによる情報化が整備されている。【杉田】マルチメディア技術は五感情報を統合的に管理・利用する技術であることから、博物館においてはものや情報の保存や教育に有効に利用されうる。そのためには、いくつかの課題を解決しなければならないが、マルチメディアの蓄積と検索・再生もその一つである。我々は民博のマルチメディア・データを対象に、この課題に取り組んでいるので紹介する。【洪ら1992】
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27
著者
-
洪 政国
Ibm
-
杉田 繁治
国立民族学博物館, 総合研究大学院大学コンピュータ民族学専攻
-
高橋 淳一
Ibm
-
草場 匡宏
IBM
-
草場 匡宏
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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高橋 淳一
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
-
洪 政國
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
-
杉田 繁治
国立民族学博物館 総合研究大学院大学コンピュータ民族学専攻
-
杉田 繁治
国立民族学博物館 第5研究部
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