アプローチ指向の教育支援のためのビジュアル言語エディタとシミュレータの統合

概要

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我々が研究・開発している情報処理教育を支援するITS(Imtelligent Tutoring System)では、プログラマがある問題を解決する時に適用する様々なアプローチの組み合わせについて着目し、次に挙げるいくつかのアプローチの使い分けのノウハウを学習者への指導方略として採用する予定である。例を挙げると、具体的で詳細な知識を積み上げていくbottom-upアプローチや、処理を機能別にモジュールに分け徐々にブレークダウンしていくtop-downアプローチ。そして、与えられた問題に対して問題解決の見通しがある場合には、難しい部分から解決していくというhardest-firstアプローチと、見通しが立たない場合に易しい部分から解決していくというeasiest-firstアプローチである。また、アルゴリズムを時間的順序を追って構築する時間的アプローチと、プログラムの構成を構造的に把握する空間的アプローチなどである。そして、これらのアプローチはそれぞれ密接な関係があり、一般に問題解決する過程において、これらのアプローチを適宜に組み合わせ、また使い分けていると思われる。そこで我々は、上に述べたような、問題解決の過程での様々なアプローチの使い分けについて研究するために、モジュールの階層関係を明示し、top-down、bottom-upのアプローチを柔軟に併用できるエディタとシミュレータの統合環境を構築している。今回は、そのエディタ部について報告する。従来のプログラミング環境のほとんどでは、プログラマがイメージするアルゴリズムの抽象度に応じたプログラミングが困難であった。本システムによれば、学習者は抽象化のレベルを意識しつつプロトタイピングできる。また、エディタやシミュレータの操作の時間的過程を記録することによって、学習者が問題解決する過程の把握・分析も可能となる。本稿では、教育用プログラミング統合環境の設計方針と機能を明らかにし、初心者がこの環境を用いた時の問題解決の過程の分析について述べる。
1993-09-27

アプローチ指向の教育支援のためのビジュアル言語エディタとシミュレータの統合

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