オブジェクト指向プログラミングにおける平文形式の仕様の生成について

概要

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プログラム仕様から, プログラムコードを作成する従来の方式では, 必ずしもコードが仕様を満たさない. さらに, 保守を重ねる過程で両者の不整合は拡大する. オブジェクト指向ソフトウェア開発は, 保守性や再利用性の向上に有効とされているが, そのためには, 呼び出すメソッドの処理内容が, 容易に理解できなければならない. この問題に対し, 特に業務システムを対象に, 関数形式で記述されたブログラムコードから, 平文形式の仕様を自動生成する方法を提案する. 関数形式のメソッド名には, "残業時間"や"職位"のような, 日常業務で使用する業務用語を対応付ける. また, 平文形式では, それぞれの処理内容についての理解を容易にするため, "職員コードから求めた前月の残業時間"のように, 各引数をどのように用いて, どのような結果を返すのかを簡潔に表す. ここでは, Java言語を取り上げて, 開発現場での実現が容易な方法を具体的に述べる. また, 提案方法を実現するための, 試作ツールについても報告する. ツールでは, 1つの用語が別の業務で異なる意味に用いられる, という実態に合わせるため, 継承の概念を用いている. 提案方法では, コードから仕様を自動生成するため, 両者の機能は必ず一致する. 仕様の生成では, プログラム向けの表現から, 業務向けの表現に変換されるため, プログラムが実現しようとしている業務内容についての理解が容易となり, 保守や再利用に有効となる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1999-05-15

オブジェクト指向プログラミングにおける平文形式の仕様の生成について

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