格文法による仮名漢字変換の多義解消
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概要
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べた書き文の仮名漢字変換における問題点 -同音語による多義と形態素分割による多義- を,格文法をベースとする構文意味解析を用いて統一的に解消する方法について述べる.格文法は意味情報を用いて同音語の選択を行うことができ,仮名漢字変換への応用には有効であるが,そのためには分解能に十分配慮する必要がある.ここでは,国立国語研究所の分類語彙表に11種のマクロ意味コードを加えた意味体系と,意味分解能,一文一格の原理,変形処理における格の一貫性を考慮して定義した22種の格による格文法モデルを採用して,これに対している.処理は,形態素解析によって網羅的に生成した形態素候補群を入力とし,そこから格文法により分解可能な形態素多義を含むパス(文候補)を一つずつ取り出して構文意味解析を適用し,日本語文としての尤もらしさを評価することにより,形態素分割多義の判定を行う。また,各パス内では単文要素に対する格フレーム照合を中心とし,係り受けのチェックおよび意味による同音語の選択を行うが,飛びこし係りの処理,連体修飾用言の被修飾名詞に対する同格連体修飾の処理などにより精確な処理をはかっている.実験システムを構成し評価実験を行った結果,総合の仮名漢字変換率が約95%,このうち構文意味解析の寄与は約1%であった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-07-15
著者
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大島 義光
(株)日立製作所中央研究所
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湯浦 克彦
日立
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湯浦 克彦
(株)日立製作所 中央研究所
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阿部 正博
(株)日立製作所中央研究所
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武市 宣之
(株)日立情報システムズ
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湯浦 克彦
(株)日立制作所システム開発研究所
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阿部 正博
(株)日立ヨーロッパ日立ダブリン研究所
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- (株)日立ヨーロッパ日立ダブリン研究所