ドメイン知識による帰納学習の予測精度向上
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概要
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帰納学習における未知の事例の予測精度向上の問題は,従来,事例からの概念学習過程に注目し研究されてきた.しかし,教師データが不完全であったり,ノイズを含む等の場合は完全な概念を学習することは困難であった.本論文では,学習された概念を未知の事例に適用する予測の過程に注目し,ベイジアンネットワークの考え方を用いて,未知の事例から対象領域固有の因果関係により新たな事例群を生成し,それらの予測結果を統合することにより予測をより正確に行う統計的予測手法について述べる.ここで因果関係とは,ある事例の分類クラスの値と,その事例から導かれる別の事例の分類クラスの値との関係を表す対象領域固有の先見的知識である.本予測手法を代表的な帰納学習手法であるID3の予測部に組み込み,典型的な二つの問題を用いて評価実験を行い,理論的に得られる予測精度改善の上限値と比較した.その結果,不完全を概念を用いても,生成する事例数を増やすことにより予測精度の改善が可能なこと,また高い予測精度向上には,ドメイン知識の選択が重要であり,不確実性が少なく,かつ,生成される事例間の統計的独立性が高いものが望ましいことがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-25
著者
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