Common Lispインタプリタ制御の高速化手法と実験評価
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概要
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Common Lispに準拠した高速のLispシステムであるHiLISPのインタプリタ制御方式について述べる.Common Lispは,インタプリタとコンパイルされた関数との動作の一致のために静的スコープやクロージャ機能をもつ標準化指向のLisp言語であり,かつ人工知能等の分野における実用的な応用に必要な機能を備えている.Lispでは,インタプリタの対話環境でプログラミングを効率的にすすめることができるが,静的スコープやクロージャ機能を含めて実現することによって,インタプリタの負荷が大幅に増大してしまうと考えられていた.HiLISPにおいては,通常の変数結合をスタック上の深い結合で行い,静的スコープを高速に実現した.一方,クロージャ機能に対しては,適宜ヒープに値を保存する処理と"見えないポインタ"を用いて値を共通に参照する方式を開発し,これを実現した.関数制御では,多値返答の拡張が問題となったが,単値と多値とで関数復帰先を分けて別経路で処理する方式により,負荷を避けることができた.HiLISP処理系はHITAC Mシリーズ汎用大型機上に作成した.さらに変数管理法の方式評価のために,従来仕犠による浅い結合方式のHiLISPおよびCommon Lisp仕様の従来実現方式であるaリスト方式のHiLISPを作成した.ベンチマークによる性能の比較評価により,本方式での改善効果を明らかにした.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-06-15
著者
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