臨界領域法に基づく並行プロセスシステムのソフトウェア設計手法
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概要
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いくつかのプロセスが共有変数へアクセスするような並行プロセスシステムを設計する際には, 各プロセスごとの動作の正当性, すなわちセンマティックインテグリティのみならず, 共有変数へアクセスの相互排斥, プロセスの間の同期, デッドロックの防止などの問題に直面する. 筆者らは, 各プロセスの共有変数へアクセスに着目して設計をすすめ, 適切な臨界領域を設定することによって, システムの正しい並行処理を保証するような設計手法として臨界領域法を開発した. 臨界領域法では, 各プロセスの処理を細分化した処理ステップと, 処理ステップ間の順序関係を規定した処理要求記述に基づいて設計を行う. まず各処理ステップの共有変数アクセスを調べ, 各プロセスに対して最適な実行手順の選択を行う. そして相互排斥, デッドロックの防止, シリアライザビリティ等を考慮して, 臨界領域法を設定する. 臨界領域法における設計手続きは, 半順序集合上の操作として定式的に記述され, (1)出発点となる処理要求記述が正しい限り, 設計結果は並行処理に関する機能的正当性が保証される. (2)性能面をあまり問題にしない場合には, 機械的に設計手続きをすすめることができる, などの特徴をもつ.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-09-15
著者
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