遺伝的アルゴリズムを用いた高解像度2値画像データの可逆符号化(画像情報)

概要

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本稿では,次世代の印刷・出版技術を支える文書フオーマットとして重要な電子製版画像データにおいて高い圧縮効率を得るため,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm; GA)などの最適化手法により符号化器のパラメータを最適化する手法を提案する.提案手法は,2画像符号化に間する現行の国際標準であるJBIG2方式における符号/復号化機構の拡張と,符号化パラメータの最適化機構からなり,後者は拡張GA速な統計処理で構成される.計算機シミュレーションでは,標準カラー画像の一部を高解像度印刷用に変換して得た2画像を使用し,提案手法とJBIG2方式における符号化器のパラメータを,どちらも十分な時間をかけて最適化した場合でも,提案手法が最大で20%以上高い圧縮効率を達成できたことを示す.また,JBIG2方式の初期状態よりも約2倍の縮効率を,提案手法の高速統計処理による数秒程度のパラメータ最適化で得られたこと,拡張GA索速度は従来手法よりも約20倍高速であったことを明らかにする.なお,本手法で用いられている技術の一部は,JBIG2規格の追補として採用され,国際標準(ISO/IEC 14492 Amd.2:2003)となった.
一般社団法人情報処理学会の論文
2004-05-15