AIDSについての学生の知的理解と関心度に関する調査研究
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概要
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現在,重大な社会問題となっているエイズに関する若干の事項について,大阪府下の大学生および高校生男女計1,140名を対象にアンケート調査を行ない,次のような結果を得た。エイズについての関心度は高校生より大学生が,また女子より男子の方が高い。エイズの感染経路,病原体,感染または発病後の経過等に関する知的理解度は,それが初歩的な事項であっても項目によって可成りの幅がみられた。全項目の平均正答率は大学生では男女とも関心度の高低によって明らかな差が認められたが,高校生,殊に女子では関心があっても正答率は低い。一方エイズの正式名称についての理解度は,関心度の高低や,知的理解度の良し悪しで顕著な差が認められた。エイズについて知りたい事項を割合の高い順に挙げると,両校種とも感染経路,予防法,歴史・実態,治療法,症状などであった。なおアンケート全体を通じての印象として,総体的にエイズに係わる現実の問題を厳粛に受けとめ,それに対処しなければとの態度が感じ取れた点は評価できる。しかしその反面一部の者であるが,自分には無関係な疾患として殊更無関心を装い,冷やかであったり,また無知なるが故に過剰防衛的である者,またその関心は興味本位でしか捉えていない者も見受けられた。A questionnaire survey on AIDS,the most serious social problems today,and AIDS-related subjects was carried out among 1,140 male and female high-school and university studnets in Osaka prefecture.University students showed more concern about AIDS than high-school students and so did male students,-university or high-school-than female students.The patterns of basic understanding of the infectious routes,the pathogenic microbe and prognosis after infection or onset were considerably diversified regardless of the school levels and sexes depending on questions,even though rudimentary,of the survey.The average rates of correct answers to all the questions showed significantly differences in university students,both males and females,by the levels of concern about the disease.In high-school students,especially in females,the average rate of correct answers was low even in the group that showed deep concern.More of the students with more concern and better understanding knew what AIDS stands for.The order of the student' interest to know about AIDS was,item-wise,as follows:1)routes of infection,2)methods of prevention,3)history・realities・prevalence,4)therapeutic methods and5)symptoms.As an overall impression derived from the present survey,it was sensed that students in general seemed to seriously recognize the grim realities of AIDS and AIDS-related problems with attitude to deal with the problems with due seriousness.This is a praise-worthy aspect.On the other hand,some of the students feigned indifference to AIDS as if it was a disease alien to themselves,chose a cool attitude,were excessively defensive because of ignorance or interpreted AIDS-problems merely as a matter of amusing interest.
- 大阪教育大学の論文
著者
-
野中 聡
旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
-
野中 倫明
東京都立大塚病院 外科
-
野中 作太郎
九州電気専門学校
-
萱村 俊哉
大阪市立大学生活科学部
-
上延 富久治
大阪教育大学保健学教室
-
後藤 章
保健体育教育講座
-
後藤 章
大阪教育大学
-
光藤 雅康
大阪教育大学保健体育講座
-
後和 美朝
大阪教育大学
-
上延 富久治
大阪教育大学
-
萱村 俊哉
大阪市大 生活科
-
光藤 雅康
大阪教大
-
後和 美朝
大阪教育大学保健学教室
-
光藤 雅康
大阪教育大学
-
光藤 雅康
Department Of School Health Nurse Osaka Kyoiku University
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