ヒト胎盤アリルスルファターゼBのラットにおける実験的気管支〓縮におよぼす影響

概要

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ヒト胎盤から arylsulfatasa A(ASA) および arylsulfatasa B(ASB) を精製し, 卵白アルブミン (EA) 感作ラットにおける抗原誘発による実験的喘息に対する抑制効果を検討した.ASB および limpet(サカガイ)の arylsulfatasa は in vitro において, ラット腹腔細胞由来の SRS-A を不活性化したが, ASA はその作用をもたなかった.また, この ASB は serotonin, histamine, acetylcholine, prostaglandin E_1 および F_<2a> の平滑筋収縮作用を阻止する能力をもっていなかった.さらに EA 感作ラットに抗原投与を行い, 気道抵抗を測定する実験アレルギー喘息において, ASB を抗原によるアレルギー誘発の前後いずれに投与しても気道収縮を有意に抑制した.これに対して, disodium cromoglycate(DSCG) は抗原によるアレルギー誘発前に投与した時のみ気道収縮を有意に抑制した.これらの事実は, ASB が DSCG とは異なる作用点をもつ抗喘息薬として開発する価値のあることを示している.
日本アレルギー学会の論文
1979-09-30