Bromelainのウサギ痰粘稠度に及ぼす影響についての実験的研究
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概要
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bromelainのウサギ痰粘稠度に及ぼす影響を,in vitroおよびin vivoにおいて検討した.in vitroにおいてbromelainは,serratiopeptidase,pronaseおよびpancreatinの合剤,ならびにlysozymeと同様に,低粘度痰の粘度を低下させ,bromelainの作用は最も強かった.bromhexineによっては,このような効果は認められなかった.また,高粘度痰に対しても,bromelainは濃度依存的な強力な粘度および降伏値の低下作用を示し,その効力はserratiopeptidaseのそれより強力であった,ウサギにbromelain 320,000 U/headあるいはserratiopeptidase 120,000 U/headを経口投与することにより痰の粘度は有意に低下し,降伏値も低下した.降伏値の低下はbromelainがより強力であった.また,bromelainの投与により,疾量の増加が認められた.さらに,bromelainおよびserratiopeptidase投与により,疾中の酸性糖蛋白およびsialic acid含量の減少傾向がみられた.これらの結果は,bromelainの臨床における喀痰排泄促進薬としての有効性を支持するものと考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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大西 治夫
持田製薬株式会社東京研究所
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鈴木 和男
持田製薬株式会社薬理研究所
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仁保 健
持田製薬株式会社薬理研究所
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山口 和夫
持田製薬株式会社薬理研究所
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山田 秀彦
持田製薬株式会社富士中央研究所
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大西 治夫
持田製薬株式会社富士中央研究所
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仁保 健
持田製薬株式会社富士中央研究所
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山口 和夫
持田製薬株式会社富士中央研究所
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鈴木 和男
持田製薬株式会社富士中央研究所
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