重症筋無力症患者末梢血のTリンパ球について

概要

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重症筋無力症は, Tリンパ球の産生臓器である胸腺の異常, 特に胸腺腫の存在および胸腺腫摘除術によって臨床症状が改善され, さらに横紋筋抗体等の血中自己抗体の証明されることより, その免疫異常が注目されているので, その解明の一端として, 本症患者の末梢血のTリンパ球を検索しその臨床所見と対比して検討した.測定方法は, 患者末梢血よりヘパリン採血し, Ficoll-Conray 法によりリンパ球を分離し, 5×10^6個/mlに調整し, 新鮮なヒツジ赤血球の0.5%浮遊液をそれぞれ0.1mlずつとり, 4℃, 1時間浮置後赤血球4個以上付着したリンパ球を陽性とした.重症筋無力症患者29例の末梢血リンパ球のTリンパ球の百分率は35.4±1.7%, 対照とした健康人19例の平均値は30.3±1.9%であった.重症筋無力症をその臨床症状と対比すると, I型, IIA型, IIB型と, 重症度の進むにつれてTリンパ球の百分率は高値を示した.また, 本症も胸腺腫の有無によって分類すると, 胸腺腫の存在する群で, Tリンパ球百分率の著明な増加を認めた.
日本アレルギー学会の論文
1974-07-30