正常者およびSLE患者におけるPHA刺激リンパ球に対するHCGの免疫学的効果
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概要
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まず, HCGの細胞性免疫反応におよぼす影響を, PHAに対する正常者リンパ球の反応態度を指標として検索した.至適濃度PHAで刺激を受けたリンパ球に5-50I.U./mlの低濃度HCGを作用させると幼若化は亢進するものもあったが, 500I.U./mlのHCGはかなり著明に反応を抑制した.低濃度のPHA刺激では, 5.I.U./mlで幼若化は有意に抑制されはじめ, 10000I.U./mlで反応は完全に消失した.これらの成績は, HCGが細胞性免疫反応を十分阻止うることを示唆している.次いで, SLEにみられる細胞性免疫の異常状態を知る目的で, SLE患者リンパ球に対するHCG効果を検討した.SLEにおいてもHCGはリンパ球のPHA反応性をよく抑制したが, 最小濃度のPHA濃度で刺激したときには正常リンパ球に比してその抑制作用は弱く, HCG抑制効果の著明な減弱をみた.正常者とSLE患者の間でHCG効果に解離を認めたことは, 治療法による変化である可能性とともにSLE患者Tリンパ球の質的偏移を推定させ, 今後の詳細な検討が期待される.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1976-10-30
著者
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