慢性関節リウマチにおけるT細胞subsetsの偏移
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
まず, phytohemagglutinin (PHA), concanavalin A (Con A)およびpokeweed mitogen (PWM)がヒトにおいては胸腺由来(T)リンパ球のみを刺激することを明らかにし,併せてPHAおよびCon Aに対する反応性の差異からT細胞subclassを分別した.ウシ血清アルブミン濃度勾配遠心法によりリンパ球を細分画すると,中比重分画に集まる細胞はT細胞であつたが,高比重分画は大部分骨髄由来(B)リンパ球で構成された. PHA, Con A, PWMはT細胞分画を強く刺激したのに対し高比重分画ではほとんど反応せず,また, T, B両細胞を含む条件下でこれらmitogenに反応したリンパ球は著明なEロゼットを形成したことから, PHA, Con A, PWMいずれに対する反応もT細胞機能として把握されうることを知つた.さらに, PHAおよびCon Aに最も強く反応するリンパ球を異なるT細胞分画に認めたことは, PHAとCon Aでは反応するpopulationにずれがあり,同一でないことを示唆している.次いで,慢性関節リウマチ(RA)にみられる細胞性免疫の異常状態を知る目的で, RA患者リンパ球の各種mitogenに対する反応をdose-responseの関係から求めた. PHAについてはほぼ全ての濃度領域において明らかな反応低下を認め, Con Aでも低濃度から至適濃度に至る領域で著しい低下を示したが,さらに高濃度のCon Aに対しては正常反応を呈した. PWMに対する反応性は全濃度領域で正常を示した.これは, PHAおよびCon Aに反応するT細胞のsubclassが量的ないし質的に偏移した結果と考えられる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- 正常者およびSLE患者におけるPHA刺激リンパ球に対するHCGの免疫学的効果
- 全身性自己免疫性疾患におけるリンパ球の機能的分担とin vivoよびin vitro細胞性免疫にかんする研究
- ヒトTおよびBリンパ球の特性 : Mitogen反応性ならびに紫外線感受性による機能解析
- 慢性関節リウマチにおけるT細胞subsetsの偏移