気管支喘息長期寛解例における気道過敏性と血清IgE値の検討
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概要
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3年以上寛解状態にある気管支喘息20症例を対象として, アセチルコリン吸入誘発テスト, 血清 IgE 値測定, anti-mite IgE 抗体価測定, 皮膚テストを同時に実施し, 喘息発症におけるアトピー素質, 気道過敏性の意義を検討した.寛解喘息群の血清 IgE 値, anti-mite IgE 抗体価, および皮膚テスト陽性アレルゲン数は未治癒喘息群との間に有意差はみとめなかつた.寛解喘息群のアセチルコリン閾値は20例中9例 (45%) で正常範囲にあり, 未治癒喘息群に比して有意に高く, 正常人コントロール群に比較すると有意に低かつた.血清 IgE 値とアセチルコリン閾値の間に相関関係はみとめられなかつた.寛解喘息群のアセチルコリン閾値を寛解以前のものと比べると, 9例中6例で閾値の明らかな上昇がみられた.アセチルコリン閾値の上昇が明らかでない3例中2例では, 血清 IgE 値が低値であつた.以上の結果を基礎として, 喘息発作の発生および喘息の寛解導入における気道過敏性, 血清 IgE 値の意義について考察を加えた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1973-07-30
著者
-
五十嵐 宏
東大物療内科
-
大島 良雄
東京大学内科物理療法学教室
-
五十嵐 宏
東京大学内科物理療法学教室
-
奥村 浩
荘内病院内科
-
竹田 浩洋
荘内病院内科
-
村中 正治
東京大学内科物理療法学教室
-
竹田 浩洋
東京大学内科物理療法学教室
-
鈴木 修二
東京大学内科物理療法学教室
-
奥村 浩
東京大学内科物理療法学教室
-
牧野 荘平
東京大学内科物理療法学教室
-
宮本 昭正
東京大学内科物理療法学教室
-
大島 良雄
埼玉医大第2内科
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