ペニシリンアレルギーの発症機構に関する基礎的研究
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概要
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benzylpenicillin モルモット血清結合物および benzylpenicilloyl-bovine gamma globulin の少量のくりかえし腹腔内注射により, モルモットに anti-BPO reaginic antibody を作製し, この抗血清で受動感作したモルモットを用いた homologous PCA 反応により, 市販 PcG 製剤単独の eliciting antigen としての性質を検討した.同時に anti-BPO homocytotropic γ_1 type antibody を作製し, この抗体についても同様な検討を行った.結果は, 以下のごとくであった.1) anti-BPO reaginic antibody で受動感作したモルモットを用いた homologous PCA 反応は, 市販 PcG 製剤単独1000単位の負荷で誘発できた.2) anti-BPO homocytotropic γ_1 type antibody で受動感作したモルモットを用いた homologous PCA 反応は, 市販 PcG 製剤単独1000単位の負荷では誘発できなかった.3) 市販 PcG 製剤単独1000単位の負荷による homologous PCA 反応は, BPO-ε-aminocaproic acid (BPO-EACA) により完全に inhibition された.4) Sephadex G 10 および G25 を用いたゲル濾過による市販 PcG 製剤の抗原性の分析を行った結果は, O.D.280による紫外吸光で最初に現れる小ピークに一致して PCA 反応が誘発されたが, もっとも PcG が溶出している main peak は, PCA 反応を誘発しえなかった.5) 製造所を異にする5種類の市販 PcG 製剤1000単位の負荷による 8 day PCA titer は, 4種類が10倍, 1種類が5倍以下であった.なおこの 8 day PCA titer の測定には, BPO-GPS 10 μg で免疫して得た主に reagin を含む抗血清を使用した.上記の結果より, ある種の PcG 製剤には PcG よりも分子量の大きい不純物質が含まれ, そのものにモルモット抗 BPO reagin 型抗体に対する抗原性が存在することが示された.
- 1974-04-30
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