未熟ラットのPMS-HCG排卵に対するc-AMP関連物質の影響に関する研究
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概要
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PMS-HCGによる未熟ラットの排卵に対するc-AMP関連物質投与の影響と,一回PMS-HCGによつてsuperovulateさせた後のPMS-HCGに対する反応性などについて検討を加え以下の結果を得た. 1) PMS(30iu)-HCG(10iu)投与によつて全未熟ラットに排卵を認めた.c-AMP, 5'-AMPまたはtheophyllin併用投与群でも排卵率は変化せず,c-AMP群,theophyllin群で卵子数はやや増加したが5'AMP群でも同程度の増加を示し特異的な作用とは言えなかつた.ATPaseの阻害剤g-strophanthin併用群では卵子数の有意な増加が認められたが,その理由は不詳である. 2) 1回PMS(30iu)-HCG(10iu)でsuperovulateさせ(low sensitivityの卵胞からも排卵させ)た後2週間は第2回目のPMS(30iu)-HCG(10iu)投与によつて排卵せず,3週後に初めて排卵を認めた. 3) 2)の不応期でも,第2回目のPMS(30iu)-HCG(10iu)投与によつて卵巣重量の増加は認められ,またgonadotropin投与量を増加しPMS(90iu)-HCG(30iu)を使用すると排卵が認められた. 4) この低反応期にPMS(30iu)-HCG(10iu)と共にc-AMP, theophyllin, g-strophanthinを投与したが,第1回目gonadotropin投与と第2回目の間隔が7日の群では排卵を起し得なかつた.しかし14日の群では卵子数は低値であつたが,それぞれ5匹中2匹,5匹中4匹,14匹中2匹に排卵が認められた. すなわちc-AMP, theophyllinは未処置未熟ラットのPMS-HCG排卵に際しては認むべき影響を与えたとは言えないが,1回superovulateさせて低感受性状態になつた卵巣に対してはgonadotropin作用を増強したと言える.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-04-01
著者
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
久保 喬士
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
尾崎 公巳
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
尾崎 公巳
大阪大学医学部産婦人科教室
-
久保 喬士
大阪大学医学部産婦人科教室
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