大阪大学産婦人科における過去5年間の広義周産期死亡の実態

概要

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周産期死亡率は逐年低下傾向を示してきているが,その死亡の原因を明らかにするために,大阪大学産婦人科において,昭和47年から昭和51年までの5年間の分娩2,264例のうち,広義の周産期死亡をきたした妊娠7ヵ月(満24週と0日)より,新生児死亡満27日までの症例58例につき検討を行い以下の成績を得た. 1) 後期死産と新生児死亡は同数の29例ずつであつた. 2) 年度別では,1973年が40.0‰と非常に高値となり,1976年が13.0‰と最も低値であつた. 3) 妊娠週数別では,8ヵ月の周産期死亡が19例(32.8%)と最も多く,特に分娩前胎児死亡および早期新生児死亡例が多く認められた. 4) 性別では男児と女児の周産期死亡の比率は,2:1で男児に多く,5年間平均のそれぞれの死亡率は34.0‰,16.5‰であつた. 5) 経産別では,初産婦33例(56.9%),経産婦25例(43.1%)と初産婦に多く,特に高年初産の11例(19.0%)は注目された. 6) 新生児生存期間では,生後3日目までに22例(75.8%)が死亡し,特にIRDSによる死亡例が非常に多くみられた. 7) 周産期死亡の原因では,母体側要因として高年初産,妊娠中毒症が主で,胎児・新生児側の要因としては,呼吸障害と重症奇形が圧倒的に多くみられた.
1977-12-01