気象庁モデルによってシミュレートされた1955年-1994年の3次元大気角運動量
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概要
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1955年から1994年までの40年間の世界の海面水温データを境界条件として、気象庁全球モデルでシミュレートされたアンサンブル平均の大気運動データから、地球回転力学に必要な極軸および赤道軸成分の大気角運動量(AAM)関数を月毎に算出し、それらをNCEPの再解析データおよび気象庁のルーチン解析データから算出されたAAM関数および観測された一日の長さ(LOD)および極運動データと比較した。1984年-1994年の期間でのシミュレートされた極軸成分のAAM関数の風速項(帯状風による無次元大気相対角運動量)の年周変化は二つの解析データに基づく計算値およびLODからの推測値に良い一致を示した。しかし、半年周変化ではシミュレーションは著しく過剰な振幅を示した。これは亜熱帯帯状風の不完全な再現によると示唆される。同様にシミュレートされた赤道軸成分のAAM関数の気圧項(大気の質量再分布による無次元大気慣性乗積)の年周変化は二つの解析データに基づく計算値を大幅に上回る振幅を示した。これはシミュレートされたユーラシア大陸と北太平洋の間の大気質量循環が、解析データのそれに比べて、過剰であることによる。1955年-1994年の期間の年々変動では、極軸成分の風速項のみが再現され、それはNCEPの再解析データに基づく計算値および南方指数の変動とよい相関を示した。以上の結果から、SSTで強制された大気モデルはLOD変動を励起する大気の極軸モードをよく再現するが、極運動を励起する大気の非極軸モードの再現性は悪いことが分かる。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2000-04-25
著者
-
杉 正人
気象研
-
杉 正人
気象研究所気候研究部
-
内藤 勲夫
国立天文台
-
内藤 勲夫
国立天文台地球回転研究系
-
川村 隆一
富山大・理
-
佐藤 信夫
気象庁観測部
-
川村 隆一
富山大学理学部
-
杉 正人
気象庁・気候情報
-
杉 正人
気象研究所
-
Zhou Y.-H.
上海天文台
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