気象庁全球モデルでシミュレートされた北半球夏の熱帯の30-60日季節内振動
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概要
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実測の海面水温を境界値としてT106の水平分解能の気象庁全球モデルを10年間時間積分した。モデルの結果に30-60日時間フィルターをかけたデータを用いて、北半球の夏期の季節内変動を調べた。赤道域の全域で30-60日の時間スケールの東進する速度ポテンシャルのアノマリが見られ、その周期は約38日である。上層の速度ポテンシャルアノマリのEOF解析の主成分に基づくコンポジット解析を行った結果、モデルの季節内変動の特徴は観測事実とよく合っていることが示された。赤道域の東進モードは、インドモンスーンの強さに影響を与え、モンスーンの30-60日の時間スケールの季節内変動に大きな役割を果たしている。モデルは、インド洋からインド内陸域ヘ北進する降水のアノマリをよく再現している。インド付近の緯度の降水量に時間フィルターをかけたものをEOF解析して、その主成分に基づくコンポジット解析を行った。北進モードの各位相の循環の特徴は、モンスーンの活発・不活発のサイクルの特徴によく似ており、観測事実とよく合っている。この北進モードに対しては、赤道域を東進するモードによる大規模モンスーン循環の変調にともなう、海上の潜熱フラックスの30-60日スケールの変動が、陸面過程よりも重要な役割を果たしていることが示唆される。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1997-10-25
著者
-
杉 正人
気象研
-
杉 正人
気象研究所気候研究部
-
佐藤 信夫
気象庁気象衛星室
-
佐藤 信夫
気象庁観測部
-
杉 正人
気象研究所
-
Karl Sarat
気象研究所
-
佐藤 信夫
気象庁
-
Kar S
Meteorological Research Institute:(present Address)national Centre For Medium Range Weather Forecast
-
Karl Sarat
気象研究所:(現)インド中期予報センター
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