洗浄操作による野菜中無機成分の溶出の変化
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概要
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サントウハクサイ,ホウレンソウ,モヤシ,パセリ,キャベツ,サツマイモおよびサトイモを供試して,洗浄操作の過程で食品中無機成分の溶出率の変化を検討し,次のような結果を得た。1)供試野菜中の無機成分含有量は,種類によって相違はあるが,概して銅,マンガンおよび鉄は低く,カリウムでは著しく高い値を示した。2) サントウハクサイ,ホウレンソウ,キャベツおよびモヤシを用いた振り洗い法では,マグネシウム,ナトリウムおよびカルシウムでかなりの溶出率が認められ,とくにモヤシではこれらの成分の他に,カリウム,鉄についても高い溶出率を示したことが注目された。なお,ため水法と流水法とではその溶出率に大きな差異は認められなかったが,オーバーフロ一法による実験結果から,洗浄を続ける限り無機成分の溶出もある程度引続いて起こることが推定された。3)サトイモを用いた混ぜ洗い法では,10%の食塩添加が無機成分の溶出を促進し,サツマイモを用いたこすり洗い法では,洗浄用具によって生じる試料の損傷度が増すに従って,無機成分の溶出も増大することが認められた。 なお,本研究の大要は第54回日本家政学会関西支部研究発表会(1980年11月)において報告した。
- 1983-02-20
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