乾燥粉末系におけるタンパク質の抗酸化機構
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
タンパク質、ペプチド、組成アミノ酸混合物について乾燥粉末系における抗酸化能を調べるとともに、各試料の等温収着曲線を求め、抗酸化能と試料周囲の水分子の存在状態との関連性を検討した。1)ツェインとツェイン組成アミノ酸混合物の抗酸化能は、ツェインでは高水分活性領域で、ツェイン組成アミノ酸混合物では低〜中間水分活性領域でそれぞれ認められた。2)ツェインを構成する主要アミノ酸のうち、プロリン、グルタミン、ロイシン、アラニンについてアミノ酸単一の抗酸化能を調べた。その結果、プロリンを除くアミノ酸には抗酸化能は認められなかった。3)組成アミノ酸混合物から上記のアミノ酸を個々に除くと、プロリン欠で抗酸化能は認められなかった。4)SPIとSPI-PおよびSPI-AAの抗酸化能を調べた結果、SPIは高水分活性領域でSPI-AAは低〜中間水分活性領域で活性が認められた。また、SPI-Pでは両者の中間的なパターンが得られた。5)各試料の等温収着曲線は、タンパク質、ペプチドの場合、PVピークの出現が遅れその高さが低下する時点より高水分活性側で急激に上昇した。これに対し、組成アミノ酸混合物の場合には、抗酸化能を示す低水分活性領域では低く保たれ、抗酸化能を示さない高水分活性領域で著しく上昇した。
- 日本調理科学会の論文
- 2000-08-20
著者
関連論文
- 乾燥粉末系における茶の抗酸化能
- 調理用熱源について ガスこんろとIHヒーターの比較(教材研究)
- 炊き込み飯の性状に及ぼす醤油の影響
- 煮ものにおける醤油の調理特性
- 炊飯過程における無洗米の性状に及ぼす醤油の影響
- 関西地区の女子学生家庭における煮る調理に関する実態調査
- 健康茶を添加したクッキーの抗酸化能
- 乾燥粉末系における葛根水抽出物および葛葉の抗酸化能
- 粉末系における食品製造副産物の抗酸化能とその利用
- 粉末系における食品の抗酸化能とその利用 : 第1回 近畿支部, 東海・北陸支部合同研究発表会
- 乾燥粉末系におけるタンパク質の抗酸化機構
- 粉末系における食品の抗酸化能に及ぼす水分活性の影響
- じゃがいもの硬さおよび官能評価に及ぼす加熱条件の影響
- 獣鳥肉・魚肉のエキス成分に及ぼす加熱速度の影響
- 加熱調理過程における獣鳥肉および魚肉中のイノシン酸の分解
- 市販冷凍魚介類の鮮度について : 近畿支部第16回研究発表会講演要旨
- 市販冷凍魚介類の鮮度について
- 魚肉イノシン酸の調理過程における分解
- 魚肉におけるイノシン酸分解速度の温度依存性
- コイ肉5-ヌクレオチダーゼの性質
- Antioxidative ability of aqueous extract from roots of arrowroot and that leaves in a dried system
- 魚肉ヌクレオチド類の脱りん酸に及ぼす貯蔵温度の影響〔英文〕
- 魚肉イノシン酸分解酵素活性に及ぼす食塩およびグリセリンの影響
- 各種魚肉のK値変化速度とイノシン酸分解酵素活性
- コイ肉5′-ヌクレオチダ-ゼの精製〔英文〕