食塩/オリゴ糖アルコール溶液に浸漬したきゅうり果肉中の浸透成分及び水分量の関係
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概要
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輪切りにしたきゅうり果肉の切片(約10g)を10%食塩と20%の分子量の異なる各種糖アルコール、またはそれらの混合物から成る浸漬液に対して4℃で2日間にわたって浸漬した。経時的にその一部を取り出し、果肉中に浸透した食塩と各種糖アルコール(ソルビトール、マルチトールの他に、オリゴ糖アルコールA、T、およびP)の濃度、および果肉の水分量を測定し、これらの成分変化の関連について考察を加えた。得られた成果は以下のとおりである。1)高速液体クロマトグラフィーによってその組成を分析すると、オリゴ糖アルコールAは49%のソルビトールと35%のマルチトールなどから成り、オリゴ糖アルコールTは38%のマルトトリイトールと40%のマルチトールなどから、そしてオリゴ糖アルコールPは74%のマルトトリイトールより分子量の大きな糖アルコール成分から成っていた。2)果肉中に浸透する食塩濃度(M)は、浸漬液中に共存している糖アルコールの種類には影響されず、食塩の浸透分圧に依存していた。3)果肉中に浸透する糖アルコール濃度(M)は、食塩が共存しない場合の方が、共存する時よりも一般に低く、また分子量(または平均分子量)の大きな糖アルコールほど浸透し難い傾向にあったが、これは浸漬液中の浸透分圧が低いことに起因している。4)果肉中への食塩と糖アルコールの浸透に伴って果肉の水分量は減少するが、減少の度合いは分子量(または平均分子量)の大きな糖アルコールほど小さい傾向があった。これは使用した浸漬液の総合浸透圧が低いことに起因していると思われた。以上の結果から、きゅうり果肉の浸漬に際して、浸漬液中の分子量の異なるオリゴ糖アルコールを混合することによって製品の品質を調節できることが明らかである。
- 2000-08-20
著者
-
大石 明美
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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野村 行子
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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大橋 且明
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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大橋 且明
東和化成工業(株)食材開発研究センター
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金子 由公
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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畑山 静夫
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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形浦 宏一
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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大石 明美
東和化成工業株式会社 食材開発研究センター
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形浦 宏一
東和化成工業株式会社冨士研究所
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大橋 且明
東和化成工業 食材開研セ
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